カンファレンス
各界で活躍するアーティスト、研究者など、多岐にわたる実践者を迎え、5つのテーマを設けて、参加者とともにウェルビーイングを読み直していきます。3日間にわたるカンファレンスでは、2名のモデレーターが各セッションに伴走し、識者たちが交わす先鋭的な対話のバトンを、次の登壇者や参加者へとつなぎます。クロージングセッションでは、それまでの回でなされた議論とアイデアを包括し、これからのウェルビーイングを生み出す芸術文化の役割を、東京から発信します。
※登壇者はアルファベット順
写真:2024年開催時
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モデレーター
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堀内奈穂子
アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]キュレーター、「dear Me」プロジェクトディレクター、保育士エジンバラ芸術大学現代美術論修士課程修了。2008年よりアーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]にて、レジデンス・プログラムや展覧会、企業・教育プログラムの企画に携わる。2016年より多様なこどもや若者がアートや表現を通じた学びに出会うプロジェクト「dear Me」を立ち上げ、アートとメンタルヘルス・福祉をつなぐ講座を企画・運営。保育士としても活動しながら、ケアと創造性が交差する場をつくり続けている。 -
ロジャー・マクドナルド
アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]キュレーター、美術史家1971年東京生まれ。イギリスで神秘宗教学を学んだのち、現代美術史の博士号を取得。横浜トリエンナーレ2001でアシスタントキュレーター、シンガポールビエンナーレ2006ではキュレーターを務める。アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]創設メンバー。2013年に長野県佐久市にアートと生活が交差する実験的な場「フェンバーガーハウス」を創設。2022年に著書『DEEP LOOKING』を刊行。2023年より多津衛民藝館館長。2024年にAITにて、アートセクターにおける気候アクション推進のコレクティブ「ACCJ」を立ち上げる。
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プロローグ
プロローグでは、オープニングスピーチのあと、これまで数年間にわたる「だれもが文化でつながる会議」の議論の歩みをたどり、オープニングセッションへとつなぎます。
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オープニングセッション 芸術文化がつむぐ明日
複雑で変化し続ける社会において、ウェルビーイングは個人の内側に閉じるのではなく、他者や環境、そしてより長い時間のなかで捉え直されつつあります。人間中心にとどまらない眼差し(=マルチスピーシーズ)をもって場をひらき、自然や都市と人間生活との間で実践や研究を重ねる登壇者が、これからの時代の芸術文化のありようを問いかけます。
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鴻池朋子
アーティストおもちゃのデザインを経たのち、あらゆる手仕事のメディアを通してサイトスペシフィックな作品を発表し、エネルギーと芸術の根源的な問い直しに取り組んでいる。最新の活動では、2025年の大阪・関西万博で発表した作品を一般に無償で貸し出す「メディシン・インフラ」プロジェクトが始まった。主な個展に「インタートラベラー」(東京オペラシティアートギャラリー、2009年)、「根源的暴力」(神奈川県民ホールギャラリー、2016年)、「Fur Story」(リーズ芸術大学、イギリス、2018年)がある。2017年に芸術選奨文部科学大臣賞を受賞、2023年に紫綬褒章を受章。 -
小山田 徹
芸術家1961年鹿児島生まれ。京都市立芸術大学在学中に、友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成し、国内外で活動した。メンバーのHIV感染とAIDS発症を機に、さまざまな社会活動や表現のあり方を模索しはじめる。1998年頃より、共有空間の獲得をテーマに、人々が集い交流する場づくりを実践してきた。コミュニティセンターやカフェの立ち上げなど、人と人とが出会う場の創造を一貫して活動の核に据えている。2010年より京都市立芸術大学教員、2025年より理事長・学長を務める。 -
齋藤百合子
ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン 名誉教授国際基督教大学卒業後、アメリカの大学院で哲学博士号を取得。ロードアイランド・スクール・オブ・デザインで美学を中心に教鞭をとった。日常美学、環境美学、日本の美学を主題に、引退後も執筆と講演を続けている。美学の専門誌『Contemporary Aesthetics』の編集長を務める。日常のなかにある美的経験や、人と環境とのかかわりに宿る価値に関心を寄せ、思索を重ねてきた。主な著作に『Everyday Aesthetics』(以下2冊とも、Oxford University Press、2007年)、『Aesthetics of the Familiar』(2017年)、『Aesthetics of Care』(Bloomsbury、2022年)がある。
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セッション1 しなやかな共助
天災や不測の事故で、慣れ親しんだ場所やあたりまえの状況が一変し、その環境に身を置かざるをえないとき。人と人とのコミュニケーションやケアのあり方を問い直すとき。気鋭のアーティストや研究者たちは、どのように目の前の状況を読み解き、これまでとは違う関係性を編んでいくのか。しなやかな共助から生まれた事例から、ともに生きる文化のあり方を探ります。
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森下 有
研究教育者、東京大学生産技術研究所 特任准教授北海道南十勝のメムを拠点に、UTokyo Ushioda Memu Earth Labを主宰する。目の前の環境を可能性の束として再読し、地域の多様なメンバーが世代を越えて生き、生かされる関係性を再構成する試みを続けている。「Memu Open Research Campus」を運営し、研究・実践・参加が交わる次世代の拠点づくりに取り組む。人と環境とのかかわりを問い直し、地域に根ざした新たな関係のかたちを探っている。 -
瀬尾夏美
アーティスト、作家土地の人々の言葉と風景の記録をしながら、絵や文章をつくっている。東日本大震災のボランティアを契機に岩手県陸前高田市へ移住し、対話の場づくりや作品制作を行ってきた。2015年に記録と表現を実践するコレクティブ「NOOK(のおく)」を設立。現在は江東区でアートスペース「Studio 04」を運営しながら、「語れなさ」をテーマに各地を旅し、物語を書いている。災禍の記憶をいかに引き継ぎ、語りうるかという問いに向き合う。著書に『あわいゆくころ』(晶文社、2019年)、『声の地層』(生きのびるブックス、2023年)、映画に『二重のまち/交代地のうたを編む』(小森はるか+瀬尾夏美)などがある。 -
クリスティン・ウォン・ヤップ
ビジュアルアーティスト、社会実践者カリフォルニア芸術大学で美術学修士号を取得。以来、地域社会とのかかわり、ハンドレタリング、出版、パブリックアートを通じて、ウェルビーイングや帰属意識、レジリエンスをめぐる草の根の視点を集め、発信してきた。人々の語りに耳を傾け、それを目に見えるかたちへと翻訳する実践に関心を寄せる。ウェルカム・トラスト、タイムズ・スクエア・アーツ、スタンフォード大学などと協働。「Bay Windows」「The Belonging Project」「Kindling」などのアートプロジェクトを主宰している。
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セッション2 アイデンティティと文化
わたしたちの社会では、文化や歴史、身体、土地、周囲とのかかわりなど、多様な要素のなかで「わたし」をかたちづくっています。しかし社会の「あたりまえ」は、ときに誰かを沈黙させ、文化やルーツを見えなくしてしまうことがあります。当事者として創造的・学術的な実践を続けてきた識者と、ともに生きることに潜む困難や緊張、そして対話や表現の可能性を考えます。
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ジュマナ・エミル・アブード
ビジュアルアーティスト2026年にスレイド美術学校(ロンドン)で美術博士号を取得。パレスチナや日本など各地の水にまつわる民話から着想を得て、紙、映像、ガラスを用いた作品を制作している。水や遺産、想像力、未来性を手がかりに、文化を越えた集団的な語り継ぎを促すプロジェクト「The Water Diviners」を立ち上げ、過去6年にわたり世界各地で展開してきた。主な個展に「The Storyteller and the Obedient Tide」(ジャミール・アーツ・センター、ドバイ、2026年)がある。 -
北原モコットゥナㇱ
北海道大学アイヌ・先住民研究センター 教授大学院在学中よりアイヌ民族博物館に学芸員として勤務。大学に籍を移して、他大学での非常勤講師のほか、小中学校や高校、市民に向けた出前授業・講座にも携わってきた。アイヌの信仰、神話、音楽といった主題を、ジェンダー研究や差別の解消、脱植民地化といった現代的な問いと結びつけることを模索。先住民族の文化を過去のものとしてではなく、いまを生きる視点から問い直す試みを重ねている。共著に『アイヌもやもや』(303BOOKS、2023年)、共編著に『最新アイヌ学がわかる』(エイアンドエフ、2024年)などがある。 -
松﨑 丈
宮城教育大学 教授博士(教育学)。ろう、難聴、ろう重複障害のこどもたちとのコミュニケーションをめぐり、心理学的な実践研究を続けてきた。2020年より、手話を用いるろう者の感覚と身体性に根ざしたオンガクを心理学的アプローチで研究している。複数のろう者で構成されるオンガクプロジェクトのメンバーとして、ろう学校での出前授業など多彩な活動を展開中。視覚と固有感覚に基づいた表現の可能性を探っている。著書に『聴覚障害×当事者研究』(金剛出版、2023年)、『ろう重複障害の子どもたちとのコミュニケーション』(明石書店、2025年)などがある。
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セッション3 Moving Together 夢とともに生きる
社会や文化、時代の情勢は、ときに「わたし」の自由や尊厳を阻もうとしますが、それでも人は、希望を見出し、生きる道を模索することができます。異なる土地や境遇のなかで創造と実践を積み重ねてきた登壇者たちは、夢を抱きながらそれぞれの経験と想像力を他者へと手渡してきました。「わたし」の夢が他者の夢へとつながった一連の事例を通して、人の尊厳について語ります。
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サンギータ・ジョギ
アーティストインドのグジャラート州アーメダバード生まれ。独学で絵を身につけたアーティストの両親から絵を学ぶ。10代で大家族に嫁ぎ、母として嫁として労働に追われる日々を送るなか、時間を見つけて絵を描き続けている。そうして描かれる、自信に満ち、遊び心あふれる線は、新たな世界を紡ぎ出し、あり得たかもしれない別の人生を探し、女の生き方を祝福する。自由のない生活の中で、想像力と魂の叫びが絵となり自らの世界を広げている。タラブックスに才能を見出され、著書に『The Women I Could Be』(Tara Books、2021年)(邦訳『わたしは なれる』green seed books、2025年)がある。
※2026年7月よりお名前のカナ表記が変更となっています。 -
小林エリカ
作家、アーティスト目に見えないもの——時間や歴史、家族や記憶——を手がかりに、丹念な調査に基づくフィクションとノンフィクションを織り交ぜた作品をつくっている。小説『女の子たち風船爆弾をつくる』(文藝春秋、2024年)で第78回毎日出版文化賞を受賞。コミック『光の子ども』1〜3(リトルモア、2013〜19年)など、文学・漫画・美術を横断する実践を続けている。美術館での展示も手がけ、近年では第13回ベルリン・ビエンナーレに参加した。訳書にサンギータ・ジョギ『わたしは なれる』(green seed books、2025年)、テジュベハン『ゆめ』(green seed books、 2026年9月末刊行予定)などがある。arbaro books主宰。 -
西 加奈子
作家、アーティスト1977年イランのテヘラン生まれ。カイロと大阪で育ち、現在は東京に暮らす。2004年に『あおい』でデビュー。2007年に『通天閣』で織田作之助賞、2011年に『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、2015年に『サラバ!』で直木賞、2024年に『くもをさがす』で読売文学賞を受賞。複数の作品が映画化されている。人が生きていくなかで抱える痛みや、それでも手放さない希望を、やわらかな言葉で描き出してきた。近著に『夜が明ける』(新潮社、2021年)、谷川俊太郎との共著『すきが いっぱい』(世界文化社、2025年)などがある。 -
ギータ・ヴォルフ
タラブックス代表インドの西ベンガル州コルカタ生まれ。ドイツのエアランゲン・ニュルンベルク大学で比較文学の修士号を取得。帰国後、視覚と文学のコミュニケーションへの関心を探求しはじめる。1994年にチェンナイに独立系出版社タラブックスを創立。翌年、出版した『The Very Hungry Lion』(Tara Books、1995年)(邦訳『はらぺこライオン』)は手すき紙にシルクスクリーン印刷するハンドメイド本の原点となる。看板画家、民族画家、テキスタイルアーティストまで多様な才能と協働し、本のかたちとその文化的価値を問い続けてきた。こどもから大人向けの本を25冊以上著し、複数が国際的な賞を受けている。2021年より有機農場を営みつつ出版を続けている。
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クロージングセッション クリエイティブ・ウェルビーイング ともに生きる文化
複雑で変化し続ける社会に対し、芸術文化のはたらきが生む「クリエイティブ・ウェルビーイング」を東京から発信します。マルチスピーシーズな世界認識に始まり、共助、アイデンティティ、尊厳の観点へと展開した議論を、アートや文化政策に精通した登壇者が受けとめ、未来に向けて提言します。
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青柳正規
アーツカウンシル東京 機構長1944年大連生まれ。西洋美術史・西洋古典考古学を専門とする歴史学者・考古学者。東京大学文学部教授、同副学長、国立西洋美術館館長、文化庁長官などを歴任。50年にわたりイタリアの古代ローマ遺跡の発掘に携わってきた。現在は山梨県立美術館館長、多摩美術大学理事長、アーツカウンシル東京機構長などを務める。東京大学名誉教授、日本学士院会員、文化功労者。瑞宝重光章を受章。主な著書に『皇帝たちの都ローマ』(中公新書、1992年)、『ローマ帝国』(岩波ジュニア新書、2004年)、『文化立国論』(ちくま新書、2015年)などがある。 -
小池一子
クリエイティブ・ディレクター1970年代より西武セゾングループのコピーライティングを手がけ、西武美術館の設立後はアソシエイト・キュレーターを務めた。1980年の「無印良品」創業に携わり、以来アドバイザリーボードの一員でありつづけている。1983年に「佐賀町エキジビット・スペース」を創設・主宰し、多くの現代美術家を国内外に紹介した。言葉と編集、そして場づくりを通じて、つくり手と社会をつなぐ仕事を重ねてきた。2022年に文化功労者に選出され、2024年に旭日中綬章を受章している。 -
宮島達男
現代美術家1957年東京生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。デジタル数字を用いた作品で国際的な注目を集め、以来、国内外で数多くの展覧会を開催してきた。1から9まで明滅を繰り返す数字は、生から死へと向かう時間を象徴し、終わりを意味する「0」をあえて表さない。「Keep Changing」「Connect with Everything」「Continue Forever」という思想のもと、連続・接続・永遠への問いを一貫して探究している。長崎の被爆柿の木2世を世界のこどもたちと植える「時の蘇生・柿の木プロジェクト」なども推進している。 -
ジャスティーン・サイモンズ
ロンドン市副市長(文化・クリエイティブ産業担当)20年にわたりロンドンの文化変革を主導し、歴代のどの市政よりも大きな文化への投資を実現してきた。その功績により、エリザベス2世女王よりOBE(大英帝国勲章)を授与された。世界50以上の都市が参加するリーダーシップ・ネットワーク「世界都市文化フォーラム」を創設。ロンドン五輪の文化遺産である文教地区イースト・バンクの実現や、クリエイティブ産業への投資戦略の策定を主導し、120億ポンドの投資を呼び込んだ。トラファルガー広場のフォース・プリンスをはじめとするパブリックアートの制作を推進。8万平方メートルを超える恒久的なクリエイティブ・ワークスペースの確保など、文化インフラの保護と拡充にも尽力している。 -
堀内菜穂子
アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]キュレーター、「dear Me」プロジェクトディレクター、保育士エジンバラ芸術大学現代美術論修士課程修了。2008年よりアーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]にて、レジデンス・プログラムや展覧会、企業・教育プログラムの企画に携わる。2016年より多様なこどもや若者がアートや表現を通じた学びに出会うプロジェクト「dear Me」を立ち上げ、アートとメンタルヘルス・福祉をつなぐ講座を企画・運営。保育士としても活動しながら、ケアと創造性が交差する場をつくり続けている。 -
ロジャー・マクドナルド
アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]キュレーター、美術史家1971年東京生まれ。イギリスで神秘宗教学を学んだのち、現代美術史の博士号を取得。横浜トリエンナーレ2001でアシスタントキュレーター、シンガポールビエンナーレ2006ではキュレーターを務める。アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]創設メンバー。2013年に長野県佐久市にアートと生活が交差する実験的な場「フェンバーガーハウス」を創設。2022年に著書『DEEP LOOKING』を刊行。2023年より多津衛民藝館館長。2024年にAITにて、アートセクターにおける気候アクション推進のコレクティブ「ACCJ」を立ち上げる。
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会場案内
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